現代社会では、私たちは知らず知らずのうちにデジタルデバイスに囲まれた生活を送っています。
しかし、一見便利なこれらのデバイスが現代人の健康に深刻な影響を与えていることはご存知でしょうか?
この記事は、こんな方に向けて書きました↓
- スマホのスクリーンタイムが1日に3時間を超えている
- 若いのに物忘れが多い
- 通知音が鳴ってないのに聞こえた気がする
- 食事中や会話中でもスマホを手放せない
- 寝る直前までスマホをいじっている
- 通知が気になって何度もスマホを確認してしまう
- スマホがないと不安やストレスを感じる
- SNSの「いいね」や「コメント」の数が気になってしまう
上記の内容に心当たりがある方は要注意です。スマホ依存症の可能性も!
この記事では、デジタルデトックスの効果や実践方法、現代人が抱えるストレスとの関係性について詳しく解説していきます。また、筆者のデジタルデトックス実体験も紹介しています!
ぜひ最後までお付き合いください!
なぜスマホの使いすぎでうつやストレスに?
まずは、なぜスマホの使いすぎで鬱や精神的ストレスになるのかについて解説します。
スマートフォンやタブレット、パソコンは、仕事やプライベートにおいて欠かせないツールとなりました。これらのデバイスは、業務の効率化や情報収集を可能にし、私たちの生活を便利にしてくれます。
しかし、その便利さの裏で、「常に接続されている状態」が、心身にどれほどの負担をかけているか、考えたことはあるでしょうか?
常に接続されている状態
現代の人々は、仕事中はもちろん、休憩時間やプライベートの時間でも、絶え間なく通知が届き、私たちの集中力は奪われ続けています。
家に帰っても仕事のメッセージが気になり、休むべき時間にまで気が張り詰めてしまう—こんな経験をしたことがある人は多いはず。
SNSの利用は心の健康に最悪
SNSの利用は、他者との比較を助長し、無意識のうちに自分の価値を低く感じてしまうことも少なくありません。
「他人はこんなに充実しているのに、自分は…」と感じてしまう瞬間が増えると、心のバランスが崩れ、不安感や孤独感が増していきます。
特にインスタグラムの使用は精神的なストレスに強く影響しています。
BBCの記事によると、英国王立公衆衛生協会が調査したところ、YouTube、Instagram、Snapchat、Facebook、Twitterの5つのSNSの中で、Instagramが若者の心の健康に最も悪い影響を与えるとされています。具体的には、不安感や孤独感、いじめ、外見への劣等感などの否定的な影響が他のSNSよりも高かったと報告されています。
心の健康を取り戻す方法
そんな中、今注目を集めているのが「デジタルデトックス」という考え方です。
一定の期間、意図的にデジタルデバイスから離れ、心と体をリセットするこの習慣は、ストレス軽減や精神的な健康の回復に大きな効果があるとされています。
デジタルデトックスを行うことで、内面に目を向ける時間が生まれ、これまで気づけなかった自分の感情や欲求に向き合えるようになるのです。
デジタルデトックスとは?その効果とメリット
デジタルデトックスとは、デバイスの使用を一時的に減少させ、デジタル環境から距離を置くプロセスを指します。
現代社会ではスマートフォンやコンピュータが生活の一部となっているため、意識的にスマホを別の部屋に置くなどの物理的な距離を取らないと、デジタル機器から離れることはできません。
デジタルデトックスのやり方
デジタルデトックスの具体的な方法としては、以下のような方法があります↓
- 就寝の1時間前からスマホの電源をオフにするルールを作る
- SNSやメッセージアプリのプッシュ通知をすべてオフにする
- 食事中やテレビを見ているとき、家族と会話しているときはスマホを手の届かない場所に置く
- 週1日、もしくは月に1回、スマホやPCの電源を切り、手帳やメモ帳を使う
- 1日の中で「スマホを使う時間帯」を限定する(例:夜20時〜21時)
- 仕事中や作業中はスマホを机の上に置かず、引き出しにしまうルールを作る
- 1週間だけInstagramやTwitterからログアウトする
それぞれの効果については後ほど詳しく説明していきます。
注意点ですが、いきなり丸一日電源を切るなどの極端なやり方よりも、最初は毎日のルールを作って無理なく少しずつ続けるやり方の方が効果は期待できます。
デジタルデトックスをすることにより、他のアクティビティにもっと時間を割くことができ、ストレスの軽減やリフレッシュ効果が期待できます。
デジタルデトックスの効果
研究によれば、定期的なデジタルデトックスを行うことで、ストレスのレベルが低下し、集中力が向上することが示されています。
また、人間関係にも良好な影響を与えます。
デジタルデバイスに過剰に依存すると、対面でのコミュニケーションが減少し、関係が希薄になりがちです。デジタルデトックスを通じて、リアルな対話や体験を重視することが可能になります。
【筆者実話】精神崩壊から救われた話
これは、筆者が実際に体験したデジタルデトックスで精神的疲労、うつ状態から解放された話です。
それまでは、1日に何度かインスタグラムで学生の頃の友人や前の職場の同僚などと繋がっており、毎日会うこともない人々の近況をいちいちチェックしていました。
ですが、残業が続き仕事と家の往復とインスタグラムからの情報の嵐、みんなの幸せな写真に憎しみに似た嫉妬心を抱いてしまうほど精神が疲れきっていました。
そんな時に私のことを本気で気遣ってくれた親友が(半強制的に)私のインスタグラムのアプリを一時的に削除してくれたのです。
その時は本気で友人に怒り抗議しました。そしてインスタグラムが無くなると、どれほど大変なことになるのかを友人に力説しました。(まるで世界が崩壊するのを説得するかのように本気で…笑)
しかし、友人を説得しようとして言っていることが、言葉にすればするほど意味をなさないことに自分自身で気づいてきました。
私「インスタグラムがないと、友達と連絡が取れなくなる!」
友人「ラインで連絡すれば?」
私「インスタでしか繋がっていない友人がいる!」
友人「その人はあなたの人生にどれだけの影響があるの?」
私「新しい情報についていけなくなる」
友人「Googleで検索すれば?」
私「インスタで友達の情報を見ないと近況がわからない」
友人「会って直接聞けば?」
など、本当に友人の言っていることは正しく、私の主張は無茶苦茶なことに気づき恥ずかしくなりました。
そして友人に「ただ、1週間アプリを削除するだけだから。1週間後にまたインストールすれば大丈夫。パスワードもスマホが覚えてくれてるから大丈夫。」と諭され、
私の内心では、友人と別れてまた再インストールすればいいか、など愚かなことを考えとりあえずその場でインスタグラムのアプリを削除することに同意しました。
帰宅後、インスタを再度インストールしようか迷ったのですが、まあ明日でもいっか。と、すると、インスタグラムがなくても意外と平気なことに気づき始め、次の日もその次の日もそのまま放置しました。
そして友人と約束した1週間が過ぎたころ、私の心がとても軽くなったことにすぐに気づきました。言葉の比喩ではなく、本当に心が軽くなったと感じました。
そして、再度インスタグラムをインストールしたのですが、その時に多くのことに気付かされました。
私が今まで必死になって見ていた友人たちの近況や画像、好きなモデルやアイドルたちのことは、今の私の人生に1ミリも関係していないこと、そして、そんな自分と全く関係のないことにどれほど多くの時間と精神的労力を割いていたのか、などの多くのことに気付かされました。
結果、インスタグラムに退会の申請をし、永遠にインスタグラムを削除することに成功しました。
ちなみに、インスタグラムから退会するには、退会申請をした後、22日後に正式に自分のアカウントが削除されます。なので、22日間はいつでも帰ってきて退会のキャンセルができるよ、というなんとも依存者に優しい方法が採用されています。(2024年現在は猶予期間が30日間になっているようです。)
でもそんな罠に私はかかりませんでした。なぜなら、本当に必要な友達はラインや電話番号で繋がっているし、友人の近況は私にとって必要ないし、必要な友人の話は会って直接話せばいい、という当たり前のことに気づいたからです。
これら全てに気づかせてくれた友人に今でも本当に感謝しています。
デジタルデトックスで得られる4つの効果
デジタルデトックスは、心の健康だけではなく日々の生活、仕事の効率にも大きなメリットがあるのです。
① 集中力が高まる
「電話もLINEも鳴っていないのに、なぜか通知音が聞こえた気がする」──こんな経験はありませんか?運転中でも会話中でも、スマホの画面が明るくなると無意識に確認してしまう。このような行動が続くと、常に通知に反応しなければならないという“緊張状態”が日常化します。
しかし、冷静に考えてみると、人間の集中力には限界があります。四六時中、すべての物事に注意を向けるのは不可能です。それなのに、スマホの通知が入るたびに作業を中断し、会話や仕事、勉強に無理やり集中しようとする。結果として、本来注ぐべき集中力はスマホの通知に奪われ続けるのです。その結果、仕事中のミスが増えたり、片付けた物の場所がわからなくなったり、「あの書類はどこに置いたっけ?」「鍵はどこ?」「スマホはどこだ?」と常に探し物をしている状態が生まれます。これは、注意力が散漫になる典型的なパターンです。
さらに、これが繰り返されると、無駄な時間が増え、日常生活にも悪影響を及ぼします。食事の最中や家族との会話でも、スマホに気を取られる時間が多くなり、家族との大切な時間も失われてしまうのです。もともと大事な用件でもないのに、「すぐに返信しなければ」と焦るのは、スマホの通知に支配されている証拠。冷静に考えると、すぐに対応が必要な連絡はほとんどありません。少しくらい連絡が遅れたからといって、誰もあなたを責めたりはしないのです。
昔はスマホなどなくても、みんな普通に生活を送っていました。それなのに、今の時代は“すぐに返信するのが当たり前”だと思い込んでしまっているだけです。実際は、数分、数時間の遅れでも問題はありません。重要なのは、スマホの通知に振り回されず、必要なときにだけ確認するという意識を持つことです。
デジタルデトックスは、単にスマホを使わないことではなく、自分の集中力を取り戻すための方法です。
② 睡眠の質が向上する
現代人の多くは、夜遅くまでYouTube、TikTok、Instagram、Xをダラダラと見続け、気づけば深夜。結果、睡眠時間が削られ、朝は眠気で起きられない。仕事や学校では集中力が低下し、帰宅後はまたスマホを見続けるという悪循環が生まれます。
このような生活が続くと、幸福感が失われ、他人と比較して劣等感を感じるようになります。やがて、何事にも興味を持てなくなり、精神が不安定に。
しかし、睡眠不足が原因の精神崩壊は、十分な睡眠を取るだけで改善可能です。デジタルデトックスを実践すれば、就寝前のスマホ使用が減り、睡眠の質が向上。結果、集中力の回復や幸福感の向上につながります。今すぐ寝る前の1時間スマホオフを試してみてください。
③ 自己肯定感が向上する
SNSは他人の生活や成功を目にする機会が多く、自分と他人を比較するきっかけを与えがちです。「あの人はこんなに頑張っているのに、自分は何もしていない」「あの人の生活はキラキラしていてうらやましい」など、他人の成功や幸せを見て、劣等感を抱く原因になりがちです。
デジタルデトックスを行うと、SNSを見る機会が減るため、他人と自分を比較することが少なくなります。その結果、他人の生活に影響されることなく、自分自身に集中する時間が増えます。
自己肯定感が向上すると、「他人と比べなくていい」「自分らしい生き方でいいんだ」と前向きな気持ちが生まれます。これにより、精神的な安定やポジティブな考え方が身につくようになります。SNSから離れ、アナログな趣味や読書などに没頭することで、自分だけの楽しさを発見できるのも魅力の一つです。
④ 心がリフレッシュし、感情が安定する
スマホを手に取ると、つい無意識にSNSを開いたり、ニュースをチェックしたりしてしまうことがあります。このような行動が繰り返されると、常に脳が情報処理を続ける状態になり、疲労が溜まりやすくなります。
デジタルデトックスを行うと、スマホの画面から解放されるため、心に余裕が生まれます。脳が情報処理を中断する時間ができ、心がリフレッシュされるため、気持ちが安定するのです。
また、デジタルデトックス中には、散歩をしたり、趣味に没頭したりする人も多いです。自然の中で過ごしたり、体を動かしたりすることで、セロトニン(幸福ホルモン)の分泌が促進され、心が安定しやすくなります。これにより、ネガティブな気持ちが減り、気分が明るくなる効果も期待できます。
仕事や人間関係に疲れている人ほど、デジタルデトックスを通じて「心が軽くなった」「気分が晴れやかになった」と感じる人が多いです。デバイスを手放す時間をつくることは、心の健康を取り戻すための有効な手段といえるでしょう。
今すぐ始められる!簡単なデジタルデトックスの実践方法
デジタルデトックスを行うことで、その利点を最大限に引き出す方法はいくつか存在します。
就寝の1時間前からスマホの電源をオフにするルールを作る
スマートフォンを1日中触り続けると、脳が情報処理を続けるため、心の疲労感が溜まりやすくなります。特に、就寝前にスマホを使用すると、ブルーライトが脳を刺激し、入眠を妨げる原因になります。
就寝の1時間前にスマホを手放し、リラックスする時間を作りましょう。ブルーライトの影響を減らし、自然な眠気を感じやすくなります。
例えば、食事中はスマホを触らない、お風呂の時間はスマホを使わないといったルールを作ると、自然とスマホから距離を取る時間が生まれます。
家族の中で「夜9時以降はスマホ禁止」などのルールを共有するのも効果的です。みんなで実践すると、継続しやすくなります。
いきなり長時間のスマホ断ちはハードルが高いので、最初は就寝前30分のスマホ断ちから始めると良いでしょう。
通知をオフにする
通知は、人の集中力を最も簡単に妨げる要因です。仕事中や勉強中に「ピコッ」という通知音が鳴ると、つい気になってスマホを手に取ってしまいがちです。そのたびに脳の集中が途切れ、再び集中するまでに約23分かかると言われています。
iPhoneの「おやすみモード」や「集中モード」を活用すれば、特定の時間帯は通知を完全にオフにすることができます。仕事中や睡眠中に通知が来ないように設定しておくと、集中力を保ちやすくなります。
TwitterやInstagramの「いいね」や「フォロー」通知は、生活に直接関係がないことが多いので、通知をオフにしても問題ありません。
メールの受信は手動でチェックするようにし、即時の通知をオフにすることで、仕事の生産性が上がります。
通知を完全にオフにするのは難しいと感じる場合は、通知音をサイレントモードにする、もしくはバイブレーションをオフにするだけでも効果的です。これにより、物理的な「音」に反応する機会を減らせます。
週末に「ノーデジタルデー」を作る
平日は仕事や学校でスマホやPCを使うのは仕方がありませんが、週末の1日だけでもデジタルデバイスから離れると、心が驚くほどリフレッシュされます。
例えば、日曜日はスマホやPCを使わないといったルールを決めるだけでOKです。
買い物や散歩に行くときは、スマホを家に置いていきましょう。これだけで、スマホに気を取られる心配がなくなります。
「スマホを使わないと何をすればいいかわからない…」と思う人は、読書や映画鑑賞、料理、散歩、アートなどのアナログな活動を予定に組み込みましょう。
いきなり1日を丸ごとデジタルデバイスから離れるのはハードルが高いので、最初は午前中だけスマホ断ちから始めてもOKです。
食事中や家族と会話しているときはスマホを手の届かない場所に置く
食事中や家族と話しているとき、スマホが近くにあるだけで気が散ってしまう経験はありませんか?通知が鳴らなくてもつい確認してしまうのは、「スマホ依存」の典型的な行動です。
この状況を変えるためには、スマホを物理的に手の届かない場所に置くのが効果的です。具体的には、別の部屋の棚や引き出しに入れるか、専用の“スマホ置き場”を用意するのがオススメです。
これにより、家族との会話に集中できるようになり、会話の質が向上します。親がスマホを手放すと、子どもも自然にスマホから離れやすくなるため、家族全体のつながりが深まる効果も期待できます。
さらに、食事の満足感も高まると言われています。食事中にスマホを見続けると、食べた感覚が薄れ、満足度が下がるため、スマホを手放すことで味わいを楽しむ余裕が生まれます。
ポイントは、家族全員でルールを共有することです。1人だけが実施するのは難しいですが、「食事中は全員でスマホを別の部屋に置く」というルールを作れば、自然と家族の会話が増え、大切なひとときを共有できるようになります。
自動ロック機能を活用する
iPhoneやAndroidスマホにはスクリーンタイム機能があり、1日のアプリ利用時間を制限することができます。これを活用すれば、無意識にアプリを開いてしまう癖を防げます。
iPhoneの「スクリーンタイム」、Androidの「デジタルウェルビーイング」機能を使えば、特定のアプリの使用時間を1日30分までに制限することが可能です。
例えば、夜10時から翌朝7時まではアプリを使えないように設定すれば、夜のリラックスタイムを確保しやすくなります。
家族と一緒に制限をかけると、スマホ断ちが続けやすくなります。
スクリーンタイムの機能は自己コントロールが難しい人向けの強制的な仕組みです。最初はアプリ使用制限を30分や1時間から始め、慣れてきたら制限を強化する方法が効果的です。
これらの5つのデジタルデトックスの方法は、誰でもすぐに始められるシンプルなものばかりです。
最初からすべてを実践するのは難しいので、「まずは就寝前30分だけスマホを使わない」からでもOK。
デジタルデトックスを習慣にすれば、心に余裕が生まれ、ストレスが軽減される効果を実感できるでしょう。
まとめ
デジタルデトックスを成功させるためには、無理のないルールを作ることが大切です。いきなり大きな目標を立てたり、失敗を恐れたりすると、長続きしません。
• 小さな目標から始める(「就寝前30分はスマホを見ない」など)
• スマホを使わない時間の過ごし方を事前に考える(趣味を作る、散歩するなど)
• 家族や友人と一緒にデジタルデトックスを行う(進捗を共有して励まし合う)
• リバウンドを防ぐため、ゆるいデトックスを続ける(スマホの使用時間制限をかける)
• 失敗しても気にせず再スタートする(失敗しても次の日からまた始めればいい)
これらを実践すれば、ストレスの軽減や心の安定が得られ、日々の生活がより充実するでしょう。
スマホから離れて「自分の時間」を取り戻す。これがデジタルデトックスの最大のメリットです。
さあ、まずは「今日の就寝前30分スマホ断ち」から始めてみましょう!
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